【2021一人登山⑤】雪の飯縄山と四阿山に登ってきた(四阿山編) ー雪山初心者はコースを間違えるととても焦りますー
の続きです。もしあなたが、飯縄山の記事も読んでくれたら、僕は裸で駆けだします。ってのはウソです。
登山記録
バス移動
泊まったホテル祥園をあとにする。バスは7時5分上田駅発、温泉は朝6時から入れ駅まで5分ということもあり、ギリギリまで温泉で体を温めてから出発です。間違いなくいい湯でした。
上田駅のモルゲンロード。悪くない。
さすが平日ということもあり、空いています。この写真ではそれがどうだか分かりませんが。。。はは。
バスの中から山が見えました。たぶん四阿山と根子岳だと思う。違ってたら、ダメなわたしに誰か教えてください。
だいたい45分くらいで菅平ダボスバス停に到着です。バス停の写真を撮り忘れましたが、トイレも待合所もあります。菅平だけあってペンションなどもたくさんありそうなので、もしバスに乗り遅れても安心ですね。
バス停から登山口まで歩く
バス停から大きな道路にでて右に行くと、この看板にぶつかります。おぉ明治の人たちはよく来るのでしょう。田中陽希さんも明治でしたね。がんばれ一筆書き。
明治大のセミナーハウスを右に見て進みます。すると
こんな看板にぶつかります。これを右側に行きます。
トレースはあるものの早くもズボズボきます。子どもの頃、雪が降った次に日の登校を思い出します。あぁ懐かしや。雪道に慣れるのにちょうどいい。
すると、また舗装された車道にでます。ここを歩いていると、マイカーで来て登山する人たちに抜かれます。
ジムニーで犬の散歩。雪国ならではの風景ですね。
いやいや、んなコタ雪国でもないやろ。
道路の右側は牧場。ここをスノーシューで歩いたらどんなに幸せなんでしょう。
なんて考えながらトボトボと歩く。
牧場の管理センターに着いた。車でここまで来る人もいたよう。
かなり手前で「私有地につき入るべからず」なんて書いてあったのだが、「そんなの関係ねー、そんなの関係ねー、はい、オッパピー」と言いながら準備してされていました、もちろんこれもウソです。
右に行くと登山口のよう。
ちなみに根子岳は「ねこだけ」と呼ぶのだが、猫限定ではない。
登山口に着いた。僕がトロイのか、バス降りてからすでに1時間くらい経ってしまった。地元の髭をたくわえたおじさんが話しかけてくれた。「今日は歩きやすいんじゃないか」と。勇気100倍だ。
頂上目指して登る
白樺の間を抜けるように歩いて行く。うっすらとしたトレースがある。まだ午前中だけあって、雪は固く歩きやすかった。「おじさん、あなたは間違ってなかったよ。」
お腹減ったので、朝飯にすることに。ローソンのスペシャルサンドとBOSSのスペシャルミルクティー。「スペシャル」は僕の個人的見解でつけてみた。山にいるというのが、僕にとってスペシャルだからだ。これからは、山で食べるもの全てにスペシャルをつけることにしよう。
少し前に降った雪であるがそれなりに積もっている。前日の飯縄山より、人が通っていないので、埋まりやすいのは致し方ないことである。しかし、ビギナーにとっては先行きに不安を感じずにはいられない。沢を渡るところであるが、落ちたら冷たいこと間違いなし。
膝くらいまで埋まるが、こんなんもんなのか。もっと高い場所ではどうなるのだ。歩きにくいから、ワカン装着。昨日の練習で装着のコツは分かっている。ふふふ。そう、強く締めるのだよ、遊びはいらない、もっと強く。
マジックマウンテンのワカンを直前に買って良かった。無くてもいいかなと思っていたけど、無ければ泣きをみるところだった。
快調、会長、開帳、回腸、怪鳥。ビバワカン。
白樺って脱皮するんだね。山から帰ったら、僕も一皮剥けるかな。
白樺がきれい。
これ白樺ですよね?
影もいい。
これ影ですよね?
トレースの横はまだ誰も足を踏み入れていない未踏の地。歩いてみたい欲望がウズウズ沸き上がってくる。ビギナーの不安は、「どこまではまるんだ」「はまったら一人で抜け出せるのか」ってこと。これは慣れていくしかないのかな~~。
浅間山とその仲間たちが右手にのぞみながら上る。
仲間の名前も書いておこう前掛山とあと分からん。
おっ、あと2.8キロ。まだ余裕がある。
遠くに見えるのは頂上じゃないよ。中四阿だよ。今、いるのが小四阿だよ。小、中を卒業して、ようやく頂上なんだ。
痩せた尾根。左右に樹木があるから怖くない。
すこしだけ冒険。自分でトレースを作ってみた。意外と埋まらない。
僕ちょっと調子にのった。
シラビソが生える雪原あらわる。
空に飛行機
この道を辿って行けば頂上に着くんだよ。
かなり調子乗った僕は、新雪の上を歩く。まだ元気。遊ぶ余裕がある。
お腹空いたのでピーナッツパンを食べる(食べかけですいません)。食べながら見る山は
浅間山とその仲間たち。名前知らず。
再び歩き始めると、シラビソの先に中学生が、いや中四阿が。
雪庇。雪山に行ったことがない時は、誰かが撮った写真を見ながら、「恐ろしや~~」って思っていたけど、思ってたのとは違った。意外と大丈夫。
そんなに気にせず歩くことができる。それは怖いもの知らずって状況かもしれないけど、雪山についてはリスクをもっと勉強しないと。
標識を右へ。
シラビソの森に突入。
これがモンスターだったら、もっと上がるのだけど、あいにく暑いくらいの気温。
森を抜けると、突き抜ける青。
浅間山見てまうな~
分かりやすい山っていいよね。
雪原の先に四阿山の頂上が顔をのぞかせた。
深田久弥はこれを「乳首」と呼んだらしい。カミサンにいったら、とってもイマイチな表情をされた。。。久弥、他になかったのか。
ほんと、標識ありがたいわ。
頂上までの直線。
これは、小でも中でもありません。
先客が手を振ってくれています。ありがとう~~。
なんてことはなく、気のせいでした。先客はすぐに奥に引っ込まれました。
左を見ると、ほとんど雲がなかったにもかかわらず、細長い雲が現れた。
僕はかってにあれを「龍雲」と認定しました。こいつは縁起がいい。そして、
登頂
ここは「キャベツ畑で愛を叫ぶ」で有名な群馬県嬬恋村らしい。そう書いてある。
頂上からのパノラマ。
かっこいい。
ずっと先に見える、真っ白い山はなんだろう。トレースの先っぽまでは怖くて行けませんでした。
貸し切りの頂上で自撮り
自撮り1
「標柱に依りかかる僕」
自撮り2
「行けるところまで行った僕」
自撮り3
「浅間山とその仲間たちを望む僕」
自撮り4
「寝転ぶ僕」
と頂上は貸し切りだったので、思いのままに自撮りしました。すでにこの時、13時を過ぎており、予定より1時間ほど遅くなっているので、ごはんも食べずに下山に取りかかりました。
菅平牧場を目指し下る
最後に根子岳を見て、下り始めます。
今回、根子岳への周回も考えていたのだけど、とんでもない話でした。体力も、時間も、経験も、魅力も足りていません。猫に、いや根子岳に「おまえはまだ四阿山ピストンで十分じゃ」と諭されているような、「また来いよ」と慰められているような気持ちになった。
下りは得意なので、バンバン下って行く。トレースがしっかりしているから安心だ。これを辿っていけばいいだけだからな。
という考えがとっても浅はかだったことに、この15分後くらいに気づく(涙)
この標識みたらどっちに行きます?あまり何も考えず四阿山とは逆でしょと四阿高原に向かってしまった。しかもわりとハイペースで。
下りでのコース間違い
下りはコースを外れてしまった。青丸のところで右に行くと菅平牧場方面であるにもかかわらず、左のほうへ行ってしまった。左はあずまや高原ホテル方面の登山口に向かう。
マイカーで来る人はこちらの登山口から登る人のほうが多い。だからトレースもしっかりしているのだ。それに騙された。まあ、誰も僕を騙す気などないのであるが。。。
ほら、トレースがしっかりしているでしょ。
黄丸あたりでようやく「あれ、コース間違ってるな。」と気づいた。上りを引き返すのはしんどいと思い、GPSを確認しながらトラバースし、菅平へ行くコースに戻ろうとした。しかし、そこはトレースのない道。そして、他に登山者も見当たらない。「はまって動けなくなったらどうしよう」「ほんとうに元のコースに戻れるのか」という不安が襲いかかってくる。
膝上くらいまでしかはまっていないのであるが、コースを外れたビギナーを不安にさせるには十分であった。足跡に彷徨っている感がでている。たぶん、雪山に慣れた人なら、まったく不安になるところではないだろうが、経験がないというのはこういうことなのだろう。
結局、不安に打ち勝つことはできず、間違った地点まで戻ることを決めた。そして、無事に予定のコースに戻ることができた。ホッ。
下山後
無事、下山できた。
バスまで時間があったので、踏み跡のない雪の上をワカンで歩き遊んだ。何か達成感もあり、疲れからの高揚感もあり、疲労痕倍ながらもはしゃいでいた。
明治大のセミナーハウス横に再び戻った時には日が暮れていた。まるで、僕を照らしてくれているようではないか。「よく頑張った」と、ははは。
登山後記
雪山初心者が雪の四阿山を登って不安になったこと
・深い雪や緩くなった雪にはまった時に抜け出せるか
・トレースがないところがどれだけ雪が深いか、もしくは雪の下がどうなっているか
踏み抜くと股のところまでくる、ストックを突っ込んでみるとその深さが分かる。道中、こういう踏み抜きが何度かあり、とても焦る。
トレースがあるってのは、ラッセルしなくていいから楽ちんってのもあるけれど、それ以上に「そこを通れば安全だよ」って安心感のほうを強く感じた。まあ、ラッセルでは体力削られまくりなんですけどね。
また、先にも書いたが、初心者にとってコース間違いは夏山以上にショックが大きかった。体力がなくなっている下山中はなおのこと。トレースがないところをショートカットしたい気持ちは分かるが、初心者は間違った地点に戻ったほうが安全であるのは言うまでもない。
今回の雪の四阿山はとても勉強になった。ピッケルを使うような場所はなくても、歩く距離、時間、雪の深さなどによりリスクがあることが分かった。何事もそうであるが、経験しないと「ピンとこない」ものである。とにかく、あまり考え考え過ぎずに雪山に行ってみるってのは大切かもな~。
リスクばかり書いてしまったが、不安以上に楽しさのほうが大きいことを最後に言っておきたい。雪山を登るってのは、雪遊びの楽しさと、山登る楽しさが合体した感じ。もっともっと経験値を上げ、もっともっと楽しみたい。と思わずにはいられない。今度は、ラッセルの練習しよっと。
以上。
最後まで読んでいただきありがとうございます。