【2022雪山登山】谷川岳撤退なり
雪の谷川岳。雪山を始めた時、いつか行きたいと思っていた。でも、「魔の山」とか「遭難ナンバーワン」とかという負のワードにより一歩を踏み出せずにいた。誰か連れて行ってくれないかな~なんて思っても、そんな友達はいない。だから、一人で行くしかないのだ。
雪山に行く時の僕の心構えとしてあるのが、「危ない、やばい、無理って思ったら、そこで引き返す」だ。どうしても、休みを取って、お金をかけて行くから、頂上に登りたいと思ってしまう自分がいるから、登る前に戒めておく。
最初に1つ言うと、谷川岳は登る人が多いから、そういう意味では安心感は大きい。昨年、登った四阿山より不安感はかなり小さかった。ってことは記しておく。
【アクセス】
関越自動車道水上ICで下車し20キロくらい。当たり前だが、かなり除雪してあるものの路面もスリップするので、スタッドレスは必須である、もちろんチェーンでも大丈夫。駐車場は平日500円、休日1000円である。平日はガラガラである。
【山行】
最初に言っておくと、頂上どころか、ザンゲ岩までも行けていない。また、超ガスっていたので山もほとんど見えていない。ので、山行的にはつまりませぬ。それでも良いなら、先に進んでください。
雪も降ってるし、ガスってるしで、大丈夫かなと不安が募ります。ちなみに、ピッケルを買ったので、初めてピッケルを使った。のだが、雪が深く新雪なのであまり使うことがなかった。なるほど、ピッケルは新雪深い時は使いにくいことを知る。
うっすらとボードのトレースが見えるだろうか。何も考えずに、ここを登って行った。もう腰まで埋まるので全然進まない。15分くらいもがいても、息が切れるだけでほとんど登っていない。すると、右側の杭の外をスタスタと登って行く人がいる。ようやく気付いたが、僕はパウダーのスキーゲレンデを登っていたのだ。そりゃ進まないはずだわ。右側に移動すると、すでに登っている人たちのトレースがあった。命拾う。しかし、トレースがない雪山登るには、とんでもない体力が必要になるな。
ある程度登って振り返ると雪が舞うゲレンデ。スノボーの人たちはとっても幸せなパウダーを楽しんでいるのだろうなと思うと泣けてきた。いや涙も凍るから、やっぱ泣けない。
視界が少しでもあるうちに写真を撮らなければと撮った一枚。深々と雪は降り積もり、掘れども掘れども、新しい雪が覆う。試練。
あの人たちのおかげで、僕は楽に登ることができている。ありがとう。
新雪を歩くってのは楽しさ1割苦しさ9割。エスな方には最高でしょうね。すれ違ったボードを背負ったBCの人は「罰ゲームかよ」とうまいことを言っとった。
トレースがあるけど、晴れ待ちでスタートが遅れた分、とてもじゃないが頂上なんて無理とここらで感じていた。でも、なんにも見えないのに、雪山の楽しさはビンビン感じていて、テンション高めで歩いてた。
白い中登っている人が分かる?けっこう苦戦しているのが、なんかなし伝わってくる。ガンバレ先頭引っ張る君!!!
さっき見えた人たちに追いついた。雪降るし、深いしでなかなか進んでいないようだった。
ちょっと光明が、、、
真っ白だな。今日は晴れるのは無理だねなんて停滞している者同士で盛り上がった。
誰よりも早く撤退を決めた。それは、リベンジを決めたことでもあった。天気の回復も見込めず、歩みも進まなかったので、あきらめの早い僕は早々と下山した。途中登ってくる人に、原っぱの辺はどうでした?なんて聞かれるが、そんなところまで行けてない。
下山後、天神平駅のそばで蕎麦を食べた。これはすごい美味しかった。熱々のそばを食べることができるのはとても嬉しい。玉子落としたらさらにうまそうだ。
右に行けば登山道。左に行けばゲレンデ。ゲレンデ登るなって書いてあるじゃん。も~~う。
【温泉】
帰りに湯メルテ谷川に寄った。
源泉かけ流しでいい湯だった。この日は露天風呂が使用できず、少し安くなった。谷川岳に登った帰りだというと、おじさんに「こんな時期に」と驚かれた。まあ、そうだよね。
お風呂から上がると、谷川岳が晴れていた。美しい。絶対登りたいという気持ちが一気に高まった。
青と白のコントラストは本当に美しい。
【登山後記】
まったく登れてないし、景色もほぼまったく楽しめなかったのであるが、登山後はとても気分が良かった。なぜだろう?と考えた。僕の結論としては、不安を乗り越えてチャレンジしたことが、下山後の高揚感につながったのではないかと思う。何も達成していないが、不安を打ち破る、乗り越えるってのは、ただそれだけで価値があるものだと思った次第である。
雪が降った後の谷川岳はかなりのラッセル覚悟で行く必要がある。頂上を目座すというより、雪山を楽しもうってくらいがちょうどいいかもしれない。また、急な斜面や短いトラバースもあり、そこでピッケルを使うことでどのような効果があるか体感できる。文章で読んだだけでは、あの感覚はつかめない。